持田ヘルスケア株式会社

小児科医に聞く 赤ちゃんのお肌Q&A

小児科医に聞く 赤ちゃんのお肌Q&A

第6回「肌トラブルだ!と思ったら」

判断が難しい赤ちゃんの肌トラブル……。こんな場合は病院へ

Q:乾燥した肌の保湿にはローションを使えばいいのですか?

身に使用するなら、ローションが使いやすいでしょう。ただし、局所的に乾燥が強い箇所には軟膏が効果的なこともあります。すぐに皮膚に浸透してしまうローションと違って軟膏は皮膚へのカバー効果があるので、患部をパックした状態にできます。

Q:ボディーソープやオイルなど、大人用のスキンケア用品を使っても大丈夫?

第2子、第3子になると、赤ちゃん専用のものを用意せずに、家族で使っているものを赤ちゃんにも使うママはけっこういます。赤ちゃん用と大人用で、基本的な成分は違わないでしょうし、実際、大人用を使ってもトラブルの起こらないお子さんはたくさんいます。何かトラブルが起こったときにきちんと対応するということでよいですが、心配でしたら、最初は赤ちゃん専用のものを使われてはいかがでしょう。

Q:日々の生活のなかで気をつけることは?

基本的に肌のトラブルは、「起こったらすばやく何らかの形で対処する」という心がけをもつとよいと思います。あらかじめ予防法があればと考える方は多いようですが、新生児期は別として、子どもの成長・発達といった観点で、さまざまな体験をさせることはとても重要です。トラブルを気にするあまり、行動を制限するようなことはあってはいけないと思います。

Q:「アトピー性皮膚炎」と「乾燥肌」の見極めは?

この見極めはたいへん難しいものです。乾燥も「アトピー性皮膚炎」の症状の一種ですが、“乾燥=「アトピー」”ではありません。大人の「アトピー」の場合は、症状は乾燥が主体ですが、乳児の「アトピー」は湿疹タイプで、体のくびれた部分やほほがジュクジュクして、全体的にアンバランスな状態に陥っていることが多いようです。

Q:湿疹ができるとかゆがりますか?

はい、かゆがります。2カ月頃までの赤ちゃんは、自分の頭をかけないから、抱っこのときにママの体にこすりつけます。それはかゆいという赤ちゃんの意思表示。自分でかけるようになると、かいて症状が悪くなるケースもありますし、かゆいと赤ちゃんは不機嫌になりますから、かゆみをとってあげる薬を使うことが多いですね。ちなみに、お風呂に入れた後や寝る直前など、体が温まるった場合もかゆくなるといわれています。

Q:5歳になっても頭にボツボツと小さなかさぶたがあるのですが。

ご相談のケースは、ずっと前から小さいかさぶたがあるとのこと。ちょうどみかんの皮がむけた様にボツボツと見え、皮膚の色が他の部分と違って見えることもあるということですので、おそらく「脂腺母斑」というあざの一種だと思います。悪性化することはないといわれていますが、年を取ってから悪性化する可能性も指摘されています。気になるようでしたら、皮膚科でも小児科でもいいので、かかりつけの先生に相談してみるといいでしょう。

監修の先生のプロフィール

加部一彦(かべかずひこ)

加部一彦(かべかずひこ)

  • 埼玉医大総合医療センター新生児科教授、小児科医。
  • 新生児集中治療室(NICU)で、主に早産のために小さく生まれたり、生まれてすぐに何らかの病気をかかえ、入院となった赤ちゃんのお世話を生業としている他、医療安全や病院建築など幅広い領域に関心を持って活動中。すでに社会人となった3人の息子達とはSNSで情報交換したり、時には飲みに行ったりと、「オトナの付き合い」ができる様になった事を喜んでいる。著書に『新生児医療は、いま』(岩波書店)、『障害を持つ子を産むということ』(中央法規出版)など。

石井のぞみ(いしいのぞみ)

石井のぞみ(いしいのぞみ)

  • 東京女子医科大学医学部卒業。現在、愛育病院小児科勤務。01年12月に女児を出産、02年4月より職場復帰。自分が子どもを持ったことで、よりママ・パパの気持ちがわかるようになり、具体的なアドバイスができるようになったと話す。近年の小児科は、心の問題の比重が大きくなってきている。精神的な面から体の不調を訴える子どもたちとママ・パパの力になっていければと考えている。

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