持田ヘルスケア株式会社

小児科医に聞く 赤ちゃんのお肌Q&A

小児科医に聞く 赤ちゃんのお肌Q&A

第3回「乳児脂漏性湿疹」

湿疹、あせも、おむつかぶれは、赤ちゃんのお肌の3大トラブル。「アトピー」も含め、症状は似ていますが異なる病気です。ママになったらどう対処する?

Q:生まれたばかりなのに、皮がどんどんむけるんですが……。

生後1カ月くらいの間に、フケのようにフワフワと皮膚の皮がどんどんむけていくのは、新生児に時折みられる表皮の剥脱です。生まれたときにむける子もいれば、ママのおなかにいるときからむける子もいます。だいたい2週間くらいの間に本当の脱皮のように全部はがれてしまうので、特に心配することはありません。

Q:肌トラブルは遺伝しますか?

遺伝の可能性はゼロではないと思いますが、現在では遺伝との関係性ははっきりと分かっていません。今はアレルギーの方が多いので、両親がアレルギーでなくても突然出てしまうという子も多いのです。逆にご両親にアレルギーがあっても、子どもには出ないという場合もあると思います。

Q:「乳児脂漏性湿疹」でできたかさぶたはどうすれば取れますか?

乳児脂漏性湿疹」「は、放っておいてもいずれは自然に取れてしまうし、取ってあげれば早く治るというものでもありません。それでも早く取ってあげたいのであれば、オリーブオイルやベビーオイルをつける方法も良いでしょう。その場合は、オイルをつけた後、蒸しタオルを使って湿疹をやわらかくしてから、洗い流してください。

Q:抗生物質入りの薬に抵抗があります。

薬を使わないと、治るまでにすごく時間がかかって、赤ちゃんの不機嫌な状態が続いてしまいます。むやみに大量に使ったり、効くからといって長い間使うと、やはり影響が出てしまうと思いますが、子どもは自分の力で治す再生力を持っているので、抗生物質入りの薬は悪循環の状態に入ってしまっている症状を良いほうに引き戻してあげるときに使うようにしてください。使い方さえ間違えなければ非常に良い薬だと思います。

Q: 小児科と皮膚科、どちらがいいですか?

乳児脂漏性湿疹」などは、新生児など早い段階で起こることが多いので、基本的には小児科で診察していただいて良いと思います。ほとんどの場合が、軽症か中症だと思うので、小児科の先生の指導や出していただく薬でうまくいくと思います。ただ、重症の方やアトピーの疑いのある方で、専門家に診てもらったほうが良いと小児科の医師が判断した場合は、皮膚科をご紹介するという形になるかもしれません。

Q:ママの食事も関係がありますか?

因果関係ははっきりしていませんが、ママが食べたり飲んだりしたものに含まれる成分が赤ちゃんへいく濃度は非常に薄く、0.0何%というくらいです。ですから、ママの食べ物に関しては、あまり神経質にならなくて良いと思います。肌トラブルに関しても同様のことがいえると思いますが、そのことばかりに気をとられていると、子どものすばらしい成長に目が行かなくなってしまう場合もありますので、神経質になりすぎず、子育てを楽しんでくださいね。

Q:赤ちゃんのシャンプーは?

赤ちゃんの肌はアンバランスなので、新生児期の頃は首から上が脂ぎっていて、体全体は乾燥していることが多いものです。ですから、体は沐浴剤で、顔は石けんで洗ってあげるといった使い分けをするのも良いと思います。洗髪については、大人でも石けんを使いつづける方もいれば、逆に生まれたときからシャンプーを使っている方もいらっしゃいますので、「生後何カ月からシャンプー」という決め方はしなくても結構です。髪の毛の量は赤ちゃんによってかなり違うので、量の多い赤ちゃんなら、生まれたときからシャンプーを使ってあげても良いと思います。

監修の先生のプロフィール

加部一彦(かべかずひこ)

加部一彦(かべかずひこ)

  • 埼玉医大総合医療センター新生児科教授、小児科医。
  • 新生児集中治療室(NICU)で、主に早産のために小さく生まれたり、生まれてすぐに何らかの病気をかかえ、入院となった赤ちゃんのお世話を生業としている他、医療安全や病院建築など幅広い領域に関心を持って活動中。すでに社会人となった3人の息子達とはSNSで情報交換したり、時には飲みに行ったりと、「オトナの付き合い」ができる様になった事を喜んでいる。著書に『新生児医療は、いま』(岩波書店)、『障害を持つ子を産むということ』(中央法規出版)など。

石井のぞみ(いしいのぞみ)

石井のぞみ(いしいのぞみ)

  • 東京女子医科大学医学部卒業。現在、愛育病院小児科勤務。01年12月に女児を出産、02年4月より職場復帰。自分が子どもを持ったことで、よりママ・パパの気持ちがわかるようになり、具体的なアドバイスができるようになったと話す。近年の小児科は、心の問題の比重が大きくなってきている。精神的な面から体の不調を訴える子どもたちとママ・パパの力になっていければと考えている。

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