持田ヘルスケア株式会社

助産師に聞く 妊娠初期Q&A

助産師に聞く 妊娠初期Q&A

妊娠初期の悩み・不安

妊娠が判明してから安定期に入るまでは、からだも心も不安定になってしまうもの。
急激な自分のからだの変化に驚いたり、「おなかの赤ちゃんは大丈夫?」と心配になってしまったり。
助産師さんのアドバイスを参考に、リラックスしながらこの時期を乗り切りましょう。

Q.

妊婦健診の内診が怖いです

・内診では何をするのでしょうか?
・内診が苦手です。痛みや緊張を和らげるにはどうしたらよいでしょうか。

A.

内診は、医師や助産師が手指や器械を膣内に挿入して、外からは見ることのできない子宮や卵巣・膣内の状態を診察し、妊娠経過や分娩進行を診断するための方法の一つです。

必要な診察とはわかっていても、妊婦さんにとっては、とてもデリケートでプライベートな部分を診られるのですから、「恥ずかしい」「怖い」といった抵抗感を抱いてしまうのは仕方のないことです。

しかし今後、妊婦健診や分娩時に何度か経験することなので、「内診によって自分自身の体調をより詳しく知ることができる」という前向きな心構えで診察を受けると、恐怖心を少し和らげることができるかもしれませんね。

■内診の方法

内診には主に2通りの方法があります。

○医師・助産師が、直接膣内に触れる方法
切迫早産の徴候がある場合、経膣超音波検査と併せて子宮口の硬さや、開大の程度(どのぐらい子宮口が開いているか)を手指で診察し、その状態を診断します。
分娩の進行状況を判断する場合は、子宮口の硬さや開大の程度、子宮口の位置(分娩が進行してくるとお尻の方を向いていた子宮口が膣の方に向いてきます)、赤ちゃんの頭の高さなどから分娩の進行状況を判断します。

○膣(ちつ)鏡(きょう)(クスコ)による方法
膣鏡(クスコ)という鳥のくちばしのような形をした器械を膣内に挿入し、膣を広げて膣~子宮の入り口の状態を観察します。感染症や子宮頸がんの検査のためにおりものや細胞を採取したり、切迫早産の診断のために出血の有無や出血の程度、破水の有無を観察したりします。

■内診でわかること

妊娠の時期によって、内診でチェックする内容や内診が行われる頻度が異なってきます。内診が行われる時期や頻度はそれぞれの病院で違いがあり、妊娠経過や分娩経過によって個人差もあります。

○妊娠初期(妊娠1週~15週)
妊娠初期は、子宮も赤ちゃんもまだ小さく、腹部からの超音波検査ではよく見えないため、膣から超音波検査の器具を挿入して、子宮や卵巣の状態、受精卵の着床部位や子宮内の赤ちゃんの状態から、流産の徴候の有無を観察します。そのほかに、膣や子宮の形、膣分泌物の量や性状、感染症の有無などを観察し、今後、安全に妊娠を継続していくための検査として内診が行われます。

○妊娠中期(妊娠16週~27週)
妊娠中期の健診では、切迫流産・早産の状態になっていないかどうかを調べるために、子宮頸管の長さや子宮口の硬さ、開大の程度、膣分泌物の量や性状を観察します。
妊婦健診で、毎回内診が行われる病院もありますが、正常に経過していれば必要なとき以外は内診を行わない病院もあります。
切迫流産・早産の徴候があり、その状態が続いている場合には超音波検査などと併せて内診が行われる頻度が多くなることもあります。

○妊娠末期(妊娠28週以降)
妊娠37週以前に切迫早産の徴候がある場合や、妊娠36週を過ぎ、妊婦健診が週1回になってくると、毎回内診が行われることが多いです。
内診では子宮口の硬さや厚さ、開大の程度、赤ちゃんの頭の高さを診察します。内診でチェックする内容は同じですが、妊娠37週以前は早産の時期なので、分娩の進行を予防する視点で、妊娠37週以降は、出産に向けて準備が進んでいるかどうかの視点で診察をします。

○分娩時
医師や助産師が分娩の進行を評価するために、内診は必要不可欠です。子宮口の硬さや厚さ、子宮口の位置、開大の程度、赤ちゃんの頭の高さ、赤ちゃんの頭の向きなどから分娩の進行状況を判断します。分娩の進行は時間の経過とともに変化していくため、その変化を評価するために複数回の内診が行われます。また、分娩後は、「子宮内に胎盤の一部が残っていないか」「子宮内に血液が溜まっていないか」「膣内の損傷はないか」といったことを診察するために手指による内診と膣鏡による内診が行われます。

■内診を受けるときのコツ

病院受診時の体調によって、いきなり内診を受けなければならないことがあるかもしれません。そのような時に慌てなくて済むように、病院受診時はあらかじめ内診を受けやすい服装や下着の準備をしておきましょう。脚を広げやすいスカートや、丈の長いトップスを着ていくことをおススメします。

そしていざ内診を受ける時、「怖い‼」「恥ずかしい‼」と思ってしまうと、からだも緊張して、自然に力が入ってしまいます。からだに力が入ってしまうと、内診がしにくく、正しく診察できずに時間がかかってしまったり、痛みを感じやすくなってしまったりします。

1番のコツはリラックスすることです。大きく深呼吸をして息を吐くことに集中し、同時に一緒に腰と脚の力をストンと抜いてみましょう。するとスムーズに内診が行われ、楽に済むでしょう。内診の刺激で少量の出血をすることがありますが、一時的なものですので、お腹の張りや痛みを伴ったり、出血量が増えてこなければ、そのまま様子を見て良いでしょう。

内診は、自分では気づけない部分の体調を知ることができるとても大切な診察方法で、避けることができないものです。お産の時には同じような姿勢をとることになりますから、お産に備えての練習だと思って、徐々に慣れていけると良いですね。

回答いただいた助産師さん

大谷紗弥子さん

  • 聖母病院(東京都新宿区)勤務。
    妊産婦さんやそのご家族が安心して新たな家族を迎えられるようにサポートをするかたわら、妊娠前の女性や妊婦さんへの食育やマタニティヨガを通して、女性のからだづくりにも携わっている。

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