持田ヘルスケア株式会社

スキナベーブ エッセイコンテスト

【第4回】
~ はじめての沐浴 ~

入選

新米ママの初沐浴奮闘記!

【一般部門】 北海道  会社員  32歳

それは息子亮吾が誕生して24日目にやってきた。そう、私の大仕事“沐浴”亮吾にとっても初めておうちでママに入れてもらう“沐浴”
正直かなり不安だった。入院中、毎日聞こえてきた沐浴室からの叫び声。生まれたばかりなのに、この世の終わりのような泣き声だった。退院後しばらくいた実家で父に入れてもらっている時も大変な騒ぎだった。昨年生まれた妹の子供をずっとお風呂に入れていて、沐浴には絶対の自信(?)があった父も、激しく泣き続けるその反応にいたく傷ついたらしく、自分のせいではないとばかりに、「産院で看護婦さんに湯船に落とされてトラウマになっているんじゃないのか?」と悲しげに強がっていた。(私に出来るだろうか・・・。パパが帰って来てからお願いした方が良いのではないか・・・。)そう何度も思った。しかしパパの帰りはいつも9時過ぎ。そんな遅い時間に沐浴させるわけにはいかない。結局私が頑張るしかないのだ。
準備はバッチリだった。沐浴予定時間の3時間も前に、必要なものは全部揃え終えた。産院からもらった本で何度も沐浴法の確認もした。イメージトレーニングに抜かりなし!そしていよいよその時がきた。
まずはベビーバスにお湯を溜める。温度は39℃。その温度に到達するまでに結構時間がかかった。多少のズレは問題ないのかもしれないが、それではダメだ。私の初の大仕事に“ズレ”などあってはならないのだ。結局きっちり39℃になった時にはお湯はひたひたになっていてかなり捨てた。「しょーがない、しょーがない。」と自分に言い聞かせ、急いで亮吾の元に戻る。時間は10分以上も過ぎていた。
「亮くん、お風呂だよっ。」と声を掛け、機嫌を損ねないよう、あやしながら抱っこをし、顔を拭くべく洗面台へ連れて行った。明るい声掛けを怠らず、本の通りに顔拭き終了。ちょっと嫌な顔はしていたが、ここはなんとかクリアした。(おっ、いけるかもっ。)順調な滑り出しに気を良くしたのも束の間、それは甘い考えだったことにすぐに気付かされた。
いよいよ服を脱がそうと手をかけた瞬間、怪しい雲行きに。顔がみるみる歪んで、下唇が突き出てくる。(マズいっ、泣きのサインだっ。)しかし途中で止めるわけいもいかず、ささっとぬがせて沐浴布で体を包んでお風呂場へ。両腕にしっかり我が子を抱き、ゆっくりと足の方からお湯の中へ沈めていった。
「ギャーっ!!」泣き声ではなくそれは紛れもない悲鳴だった。正に断末魔の叫びだった。汗がどどーっと吹き出てきた。とにかくあやしまくりながら頭を洗い、体を洗った。自作のへんてこな歌まで必死に歌ったがむろんなんの効果もなく、彼にとって拷問のような10分が終わった。私にとっては1時間にも2時間にも感じられた10分だった。
お風呂から上がって、バスタオルで体を拭いている時も泣き止むどころか、ますますエスカレート。私もべそをかいた。どんな本を呼んでも、“赤ちゃんはお風呂が大好き!”と書いてある。ウソだ。こんなに泣くではないか。(虐待していると隣近所に思われたらどうしよう・・・)そんなことまで頭をよぎった。悠長に耳掃除やおへその消毒などしている場合ではなく、素早く服を着させ、泣き止ませることを先決にした。やっと落ち着いた数分後、大きな破裂音が!!彼にとっての必死の抵抗だったのであろう。(ウンチ・・・。)軽いめまいをおぼえながらも、今度はなんだか可笑しくてしょうがなくなった。今着けたばかりのオムツを取替えながら、泣き笑いで語りかけた。「ごめんね、亮くん。ママもっと上手に入れられるよう頑張るからねっ。」
亮吾が全く泣かないでお風呂に入れたのはそれから約1カ月後のこと。私たちの大事な記念日です。そして今ではピカピカの笑顔で、お風呂大好きっ子です!

ページの先頭へ

電話をかけて相談・問い合わせる

お問い合わせ 0120-01-5050
(9:00~17:40 土、日、祝日、会社休日を除く)

PCサイトを表示する