【第3回】
~ 赤ちゃんのいる風景 ~
特別賞
最高の花束
【一般部門】 清水花子 千葉県 主婦 29歳
今年の2月に初めての子供を出産しました。出産して喜びに浸るのもつかの間、育児ってこんなに大変なのと、びっくりすると同時に世の中すべてのお母さんを尊敬のまなざしで見るようになりました。
我が子は、他の子と比べてお昼寝時間が少なく、全然お昼寝しない日も多いのです。だっこしながらは寝るのに、布団に寝かせた途端に「え~ん!え~ん!」ママは、昼寝してくれている間にやりたいことが山ほどあるのに・・・。家事もなかなか進みません。そんな時、どうしてもイライラ、イライラ。「どーして寝てくれないの?」と涙があふれてきます。
パパが休みの日、いつものように全然お昼寝をせず、ぐずってばかりいる娘。「ママも限界だよ!」とまたイライラ。すると、主人が「散歩に連れて行ってくるよ」と娘を抱っこして出かけました。そして数十分後、帰ってきた娘の手には、しわしわになったお花が。ようやく物をつかめるようになってきた娘は、一生懸命お花を握っています。「お花あげるから、仲良くしてね」って言ってるよ、とパパが一言。その瞬間、涙があふれてきました。パパの心遣いへの感謝と、イライラしていた自分への反省の意味が込められた涙は次から次からあふれてきて、胸いっぱいになってしまいました。
お散歩途中に咲いていたお花を摘んできたらしいのですが、とっても綺麗なその花束をしばらくリビングの花瓶に飾っておきました。枯れても飾っている私に「もう捨てたら?」とパパは言ったけど、もったいなくてなかなか捨てられなかったな。今までで一番素敵な花束だったよ。イライラしてごめんね。ママは、パパとあなたが大好きだよ。いつか、大変な時もあったのよと笑って話ができる日が来るといいね。