持田ヘルスケア株式会社

スキナベーブ エッセイコンテスト

【第2回】
~ 赤ちゃんが教えてくれた喜び ~

佳作

「おっぱい」

【一般部門】 高橋 真弓 群馬県  主婦  37歳

きらきらと輝く木漏れ日を受けて、おっぱいが輝いている。
ほやほやの命が、それを一生懸命に吸っている。
八年前の秋…
私のおっぱいのデビュー
思春期以来 下着の下に秘めていたおっぱいは、この日初めて太陽の光を浴びた。
そして、この日を境に 見事にその価値観を変えてしまった。形が良いとか悪いとか 大きいの小さいの…そんな見栄えはどうでもいい。とにかく よく出るか 飲み易いかがすべて!二十二歳の私にはとても衝撃的過ぎて くすぐったいとか温かいとか そんな穏やかな幸せを味わう余裕は…なかった。
産院で隣のベットに笑っていたのは、今度が三人目って言う 偉大な偉大なお母さん。何でも全部知っていて、すごく優しくしてくれた。富士山みたいなおっぱいが でーんとそびえ立っていて…赤ちゃんは、その勢いにむせながら 音を立てて飲んでいた。そして、満ち足りよく寝てた。そんな親子が ただ ただ うらやましくって……
意味不明な言葉で泣いてる 小さな 小さな我子を胸に 私も一緒に泣いていた。
『この小さないのち生命を守ってあげるのは私だけ。
私から出るおっぱいだけ!』
そんな大きな使命感。今までにない責任!
どうにか…どうにか…出さなくちゃ…そして、飲ませてあげなくちゃ!
《母乳不足》って言葉に振り回されて 体重1グラム単位の増減に一喜一憂しながら、普段使う事のない神経は、やすりで削られるように磨り減って 眠れぬ夜が続いてた。
自分でかけた重圧に潰され 本当は足りてたかも知れないおっぱい…三ヵ月目でさよならをした。
それから三年、二人目誕生!
おっぱいの再デビュー!
しかも今回は、三年間ですっかり図太くなって動じない神経が味方に付いている。
「足りていようが、いまいがまぁいっか!泣いたら飲ませとけばいいんだから!」
開き直ったおっぱいは、とりあえず良く出てくれた。
そして それから一年間 幸せな時を与えてくれた。誕生最初の一年の目を見張る程の成長を私にしか見れない角度で見守れる…母としての特権!
おっぱいの持つ魔法にも気付いた。
私は、子供にオッパイあげる!子供からのお返しは・元気の素・
元気にちょろちょろ走る我子!疲っかれるけど、笑って追い駆けまわせる!
だけど、私がお昼寝したい時は、・眠たくなる薬・念力で入れちゃう!おっぱい吸わせて
《寝ろ!ねろ!ネロ!ネロ……》って!
さっきまで元気だった子なのに、たちまち眠くなってしまう。そして そのまま一緒に寝ちゃう!
ふたりで一緒のお昼寝は、ほんわか ほんわかしあわせの時!あったか柔らかな子供を抱いて!
時には、ストレス、イライラが伝わってしまう事もあるけど…自分の気持ちが、怖いほど伝わってしまう。名付けて『おっぱいテレパシー』
ある日お昼寝する時に ポロリと出したおっぱいを見て【カブト虫が逆さまになった】ように寝て 手足をバタバタ動かして、全身で喜んでる♪あの笑顔が今でも忘れられなくてつい(?)三人目を産んでしまった私。
八年前、夢と希望を詰め込んで前を見ていたおっぱいも 今ではしっかり大地を見つめ 横揺れしながら笑ってる。
まだまだ続く子育て。親子の絆を強めてくれたおっぱいに感謝しつつ…
そろそろキララ〈三人目〉のおっぱいの時間だ!

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