【第13回】
~ 赤ちゃんとのふれあい ~
入選
赤ちゃんってあったかいね!
佐賀県 主婦 女性 29歳
あなたと初めて出会ったのは自宅でした。
あなたを、最初に抱いたのは、先生じゃなくあなたのママとなる私でした。凄いでしょ。
朝からトイレが近くて、様子が変だなと思ってた。痛みはなかったけれど、家に誰もいなかったし、初めての妊娠だったから、念のため病院に電話したら、とりあえず、入院の準備して来るように言われたから、病院に行く準備してたんだ。
準備も終わり、入院セットを持っていざ、病院へ出発!!
っと、その前に、トイレ!!トイレ!!
そこで、事件は起きたー!!
尿をたし、便もした感じがして、妙にスッキリしたなって思ってたら足元から泣き声が聞こえたんだ!
「おぎゃー」「おぎゃー」
って。
はいっ?となって足元見たら、なんと、あなたがいたんだよ。
ママの足元で力いっぱい泣いてた。
ママびっくりして現実か、夢か分からなくなって、ただ、呆然とあなたを見てた。
そしたらあなたは一生懸命泣きながら、ママに向かって手を伸ばしたんだよ。
「ママー」って呼んでるみたいだった。
ママは我にかえって抱き上げた。抱き方もよく分からないまま、勢いだけで抱き上げた。大変な状況なのに、力いっぱい抱きしめた。あなたがママの腕の中で、力いっぱい泣く姿を見て、あなたの体温を感じた瞬間、助けなきゃ、守らなきゃって思ったら無我夢中になってた。
抱っこしたまま家中うろうろして、病院に連絡して、救急車を呼んでもらった。
救急車がくる間は、ずっと病院の看護婦さんと、電話で処置の仕方を教えてもらったよ。
へその緒を、糸で縛ったり、あなたをタオルでくるんだりしたよ。
あなたと私を繋いでいる、へその緒を握りしめた時、早く助けてって!思った。
私の大事な赤ちゃん。
急に産まれちゃったから怖いよね。
寒いよね。苦しいよね。
早く誰か助けてって!今までにない位、神様に願った。私の命はいらないから、赤ちゃんを助けてって、何度も何度もお願いした。
それしか頭になかったよ。
よくテレビで私の命はいらないから、この子は助けて下さいって、いうのがあるけれど、今まで私はそんなのありえないって思ってた。
でもあなたが産まれて、あれは本当なんだと実感した。
そうこうしているうちに、救急車と一緒に、いつも診察してもらってた産婦人科の先生も駆け付けて来てくれて、あなたを大事に抱き上げてくれたんだよ。
本当に宝物を、包んでるかのように優しく大切に、抱き上げてくれた。
その瞬間、ママ初めて泣いちゃった。
これであなたが助かるって、思ったら安心した。
それからの事はあんまり覚えてないんだ。
病院に着いていろんな処置が終わって、あなたも無事で、改めて対面した時はなんだか笑えちゃったよ。
お猿さんみたいで小さくて、可愛いくて凄く愛しかった。
産まれてきてくれてありがとう。
あなたに初めて触れた時の温かさ、へその緒の感触、泣き声や手や足の小ささ、、、全部忘れられない思い出となりました。
何より、無事に元気に産まれてきてくれてありがとう。
そんなあなたも、もうすぐ1歳。
すくすく大きく育ってくれて、ありがとう。
私をママにしてくれてありがとう。
ママに一番に、会いにきてくれてありがとう。
これからもびっくりするような、楽しい思い出を一緒に作って行こうね。