持田ヘルスケア株式会社

スキナベーブ エッセイコンテスト

【第13回】
~ 赤ちゃんとのふれあい ~

特別賞

私もいつかママに

沼口果林 茨城県  学生  16歳

この夏、近所に住む母の友だちのケイコさんが赤ちゃんを産みました。男の子でタロウちゃんと名付けられました。母と私はくまのぬいぐるみのお祝いを持って病院に駆けつけました。
「カリンちゃん、赤ちゃん抱っこしてみたら?」新米ママになったやさしいケイコさんは、そう言いましたが、生後たった3日の男の子の赤ちゃんを抱くには勇気がいります。私が戸惑っていると、
「だいじょうぶよ、こんなチャンスそうはないんだから、抱っこしてみなさいよ」とケイコさんに促され、よし!と、決心。
母からまずは左手に赤ちゃんの頭をのせて、それからそ~っと右腕で抱えるように、と教えられた通りに、こわごわと抱き上げました。
タロウちゃんの体重はたった3キロちょっと。でも、予想よりも重たい感じがしたのは命の重さなのかな。
腕の中のタロウちゃんは、私の顔をじっと見ていました。泣き出したらどうしようとハラハラしましたが、それから3分間もおとなしくしていてくれました。かわいい! めちゃめちゃにかわいい! 心からそう思いました。
病院からの帰り道、私と母の会話のテーマはもちろん“赤ちゃん”。
「ママ、子育てするってどんな感じ?」
「大変だけど、おもしろいし、楽しいよ」
「どんな風に楽しいの?」
「毎日毎日、新しい発見があるからよ。あっ、笑った。あっ、歯が生えた。あっ、寝返りを打った………。いちいち感動しちゃうんだから」
「ふ~ん、で、私はどんな赤ちゃんだったの?」
「泣いてばかりいて、うるさい子だった。病院の先生がね、カリンちゃんが来ると待合室がすごくうるさいから、大声で泣けるうちは風邪ひいても連れて来なくてもいいよ、なんて言っていたくらい。でもね、先生は、大声で泣ける赤ちゃんは強くて元気な証拠とも言ってくれてたよ」
そう言われてみれば、幼い頃の記憶の中に泣いている自分の姿が浮かんできました。
「カリンは将来、赤ちゃんを産みたい?」
「うん!」
私は即答しました。さっきタロウちゃんを抱っこして、私もいつかママになりたい、そう強く思ったのです。
「何人産みたい?」
「最低でもふたり。できたら3人いてもいいかな……」
私は一人っ子で、ときどき寂しい思いをしているので、絶対に兄弟か姉妹をつくってあげたいと思うのです。
「そう、楽しみだなぁ……。あと10年後か15年後には、おもしろいおばあちゃんになってあげるからね」
「そうだよ、私が赤ちゃんを産むときはママの助けが必要だからぜったいに長生きしてよ」
「わかった。ぜったい死なないから安心しなさい」
母はきっぱりとそう言いました。母の母親、つまり私の祖母は私が生まれる6年も前に病気で亡くなっているので、私は少し心配なのです。でも、きっと天国のおばあちゃんはいつも私たちを見守っていてくれ、自分が長く生きられなかった時間を母や私にくれることでしょう。
さぁ、次に私が生まれたての赤ちゃんを抱くチャンスはいつくるのかな? もしかしたら私の赤ちゃん? 想像するだけでワクワク楽しい気分になります。

ページの先頭へ

電話をかけて相談・問い合わせる

お問い合わせ 0120-01-5050
(9:00~17:40 土、日、祝日、会社休日を除く)

PCサイトを表示する