持田ヘルスケア株式会社

スキナベーブ エッセイコンテスト

【第11回】
~ 赤ちゃんがくれるチカラ ~

入選

息子は母のお医者さん

大阪府  主婦  女性  28歳

私は昨年8月に結婚し、その翌月には私のおなかの中に命が宿っていることがわかりました。
結婚してすぐに子供ができることに、主人は気持ちの面で不安もあったようですが、私はすぐに子供が欲しいと思っていました。
両親が元気なうちに、孫の顔を見せたかったからです。
私の母は5年前の秋に、喘息が悪化して意識不明の重体に陥りました。
その時母のそばには私しかおらず、急いで救急車を呼んだものの、呼吸ができずに意識がなくなり体が硬直していく母の姿を見ていくうちに、私は最悪の事態も覚悟をしていました。
幸いにも母は一命を取り留め、後遺症も無くお医者さんもびっくりする程の回復力で無事退院しました。
それでも喘息との戦いは終わらず、またいつ命取りの発作が起こるかわからない状況が今でも続いています。
そんな母に、少しでも早く孫の顔を見せてあげたいと思っていたのです。
そんな中、今年5月に無事長男を出産しました。
そして退院後は母のいる実家で1か月程過ごすことになりました。
陣痛から出産まで2日以上かかった長いお産だったので、陣痛の時から私の身の回りのお世話をしてくれていた母の疲れは相当なものだったと思います。
それでも退院後に息子と実家で過ごしている時も、「お産後の疲れは相当なものだから絶対ゆっくり休みなさい」と、母は私や息子のために一生懸命尽くしてくれました。
しかし、夜な夜な母の喘息の発作が起こるのを見ていると、心配な気持ちでいっぱいでした。
あるとき、私は母に少し早めに自宅に戻ろうかと考えている旨を話ました。
母は私のいろんな思いを全てくみ取ったのか、私にこう言いました。
「喘息がなかなか良くならない、むしろだんだん悪くなっている状況に、お母さん自身も参っている中、ヒロ君(息子)が生まれて、お母さんはもう一度元気を取り戻すきっかけになってるんだよ。あんたとヒロ君がここにいる間、二人のお世話を無事に終えることができたら、お母さんは自信がついて、もう一度頑張ろうっていう気持ちになると思うから、今一生懸命頑張っているんだよ。ヒロ君は、どんな薬よりもどんな治療よりもお母さんを元気にしてくれるお医者さんなんだよ。」
生まれてまだ数日しか経っていない息子が、母のお医者さんになっていたのです。
母のその言葉を聞いた私は、当初予定していた日まで母にお世話になろうと決めました。
そして出産から40日後、私と息子は元気に自宅に戻ってきました。
母もその後も入院などすることなく、喘息と上手に向き合いながら過ごしています。
実家と自宅が近いこともあり、母はよく私と息子の様子も見に来てくれます。
母が嬉しそうに息子と遊んでいる姿を見ていると、息子が私たちに大きな幸せや生きがいを与えてくれていることを実感します。
生まれたばかりの小さな天使が持っている、計り知れない大きな力に、私はただただ驚き、そして感謝をしています。
私たちの子供に生まれてきてくれて、ありがとう。

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