やさしいきもち|赤ちゃんの沐浴はスキナベーブ

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持田ヘルスケア株式会社

エッセイコンテスト

スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト

【第9回】~ 赤ちゃんと笑顔 ~

入選

・やさしいきもち

東京都  主婦  34歳

今年4月に第二子が生まれ、毎日がてんてこ舞いの我が家。下の子におっぱいをあげながら、上の子のお外遊びに付き合うのは当たり前、子供達がお昼寝をしているその隙に、散らかったおもちゃの片付けや、晩御飯の仕度をしたりと、とにかく日中は気を抜くヒマもありません。そんな中、疲れた体が休まるバスタイムは、忙しい私にとっても唯一ほっとできる時間。身も心も温かいお湯にほぐされていい気持ち・・・。こんな感覚は大人だけなのかと思っていましたが、どうやら子供たちにもこの温かさは大きな影響を与えてくれていたようなのです。
きっかけは、ある蒸し暑い日のこと。その日は帰宅が遅くなってしまい、気がつけば夕方のお風呂タイムが大幅にずれ込む時間となっていました。いつもはベビーバスで生後2ヶ月の次女に湯浴みをさせていたのですが、そんなことをしていたら、長女の夕飯の時間に間に合わない!どうしよう~!「よしっ、それならいっそのこと、次女のお風呂デビューさせちゃおう!」そう私は決意し、急きょ長女と3人でのお風呂に初挑戦することにしたのです。
ここで一番心配だったのが、長女のこと。下の子が生まれてから、ちょっぴり赤ちゃん返りをしてしまった彼女は、まだ小さな次女に何かと乱暴をして、私もパパも目が離せない状態が続いていました。そんなちょっぴり複雑な心境である彼女が、ママと二人だけになれる楽しいお風呂タイムに、果たして赤ちゃんを加えてくれるものかどうか?迷いながらも、私は先にバスタブに入っていた長女に、「今日は妹ちゃんも入れてあげていい?」と聞いてみました。すると、長女は驚くほどすんなり「うん、いいよ!妹ちゃんも入れようよ!」と快諾してくれたのです。よっしゃ~!気がかわらぬウチに、と私はすっ飛んで次女を迎えに行きました。
「さぁ。来ましたよ~」優しい声かけをしながらも、長女がなにかイタズラをしないかと、私の心は緊張でバクバク。そんな気持ちが身体を通して伝わるのか、ひざの上の次女も、いささか身体がこわばっています。ゆっくりゆっくり、赤ちゃんにお湯をかける私。すると、その様子を横で見ていた長女が、「妹ちゃん、気持ちよさそうだね~」と、今度は自分のおもちゃのひしゃくを持ち出して、次女の体にすこしずつすこしずつお湯をかけはじめました。「ありがとう。助かるなぁ。じゃあ、お母さんが妹ちゃんを洗うから、お姉ちゃんがお湯をかけてくれるかな?」と、お手伝いを任せると、「大丈夫ですよ~。今日は頭を洗いましょ~」と、長女はちょっぴりお姉さんぶって、私がそうするように妹に声かけを始めました。長女は妹に自分で何かをしてあげられるのが、とっても嬉しかったようです。不安そうだった次女もお湯に慣れてきたのか、次第にご機嫌な表情になってきました。
「さぁ。体が洗えたから、皆であったまろうか」そうして私たち3人は並んで湯船につかりました。次女にとっては生まれて初めての広い湯船。あったかいお湯に肩までつかり、私と長女に、ほわ~んとしたやさしい笑顔を向けてくれた次女の様子は、まるでお天道様が腕の中にぽちゃん!と降りてきたかのようでした。「お風呂って、皆で入ると気持ちいいよね!」と、今度は長女がにこにこ。あったかいお風呂と赤ちゃんの気持ち良さそうな笑顔が、ちょっと固まっていた長女の心をゆっくりと、溶かしてくれたようです。真っ赤なほっぺになって、鼻の頭に汗まで浮かべながらも、「まだ一緒に温まるの」とがんばる長女。
「今までずうっと一人でがまんしてくれたね。ありがとう」と、私の顔にも自然と微笑が浮かんでいました。
この一件以来、赤ちゃんの笑顔は、母親にとって一番のご褒美となるだけでなく、家族みんなを結びつける大事なものであることを改めて感じました。これからも娘達の明るい笑顔が、私達大人にたくさんの優しさと希望を与えていってくれることを願っています。

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