【第6回】~ 赤ちゃんが教えてくれた喜び ~
入選
・5歳になったキミへ
【一般部門】
大阪府 会社員 37歳
“Happy Birthday 優輝!”
5歳の誕生日おめでとう。
早いもので、君がこの世に生を授かって5年の月日が流れました。
君のママは、ソフロロジーという無痛分娩で臨みましたが、3700gを越える君を産むのに大変辛そうでした。
前の夜から入院し、分娩室に入ったのが朝方だったかな。
とても穏やかな朝。
4~5時間で君は産まれました。結構、早かったのかも。
お兄ちゃんの出産には立ち会えなかったので、パパにとっては、初めての経験。
想像では、キレイな赤ちゃんが「オギャー」と元気な産声をあげて産まれてくる・・・ハズでした。
ところが君は、お腹の中で元気が良すぎたのか、へその緒を首にも身体にも巻きつけて出てきました。
紫がかった君を見て、息を飲んだ。
体中に緊張が走ったよ。
産声を発さない君を見て、我が目と耳を疑った。
・・・なぜ、泣いてくれないの?
ところが、先生に背中を“ポンポン”と叩かれた君は、堰を切ったように、まるでパワーを溜めていたかのように、分娩室に響き渡るくらい、大きな声で産声をあげたのです。
“おめでとうございます”助産婦さんや看護婦さんの声が聞こえたとき、パパは、本当に涙が止まりませんでした。
ママもパパも君を見て、涙が止まらなかったんだよ。
みんな笑っているのに、君だけが大泣き。
本当に嬉しかった。
証拠は、産後、看護婦さんに撮ってもらったポラロイド写真を見てごらん。
力いっぱい手をグーにして泣いている君の横で、パパとママは笑っているのに、涙でボロボロな顔をしている。
そうそう、何度、パパが言っても
“意味分からん!”って君は言うけど、へその緒を切ったのは、本当にパパなんだよ。
病院の方針で、原則、立会いと母子同室。そして、へその緒を切るのはパパさんの役目だったから。
へその緒をハサミで切った感触は、今でもしっかり覚えています。
“へそのしっぽって意味分からん!”と君はケラケラ笑って・・・。
まぁ、いいけどね。
一度、原因不明の高熱(後に中耳炎だったとわかったけどね)で、10日間ほど入院したことはあったけど、特に大きな病気も怪我もなく、本当にたくましく育ってくれました。
5歳の誕生日に欲しいと言っていた『DS Light』は諦めたようですね。
代わりにウルトラマンが欲しいと言っていましたが、結局、何トカ戦隊ボウケンジャーの鉄砲になったって?
いったい、君は、何が欲しかったの??
何だって良かったんじゃない?
我が家のギャングでムードメーカー。
天真爛漫で内弁慶な性格。
甘え上手で要領のいい性格。
何でも左手でこなす器用さ。
興味があるのに虫に触れない臆病さ。
叱るとすねるし、褒めると図に乗る。
今だに、おねしょをすることもあるね。
ママのトリートメントやヘアパックは使っちゃダメなんだよ。
泣き虫なところも、そろそろ何とかしようよ。
でもね、
そんな君をパパは愛してやまない。
君の人生は、まだまだ始まったばかりだけど、
名前のように、笑顔を絶やさない、優しい男になってもらいたいと思います。
今日は、大きなケーキがあるそうです。
早く帰りますね。