パパとこの子と、3人で・・・。｜赤ちゃんの沐浴はスキナベーブ

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【第4回】～ はじめての沐浴 ～

夫は9歳年上。いつも堂々としていて、口数も少ない。男らしくがっしりした体型に、ちょっと強面。根は優しいが、不器用で口下手。
そんな夫も、息子には甘い。かわいくて仕方ない!といった様子だ。息子もそんな父親が大好き。夫が家にいる時、二人はほとんどくっついて過ごしている。
結婚する前は、正直心配だった。ぶっきらぼうで、無愛想な夫。妊娠中も大きくなるお腹にはあまり関心が無い。
「赤ちゃんを歓迎してくれてるのか・・・?」
妊娠中の私はそれだけがいつも気になっていた。
健診の話をした時、エコー写真を見せた時・・・興味は示すものの、
「わかんない。」
の一言で会話は終わってしまう。
陣痛が始まって、病院に向かう時もそうだった。
出産に集中したかった私は、仕事に行く主人に一言だけ
「赤ちゃんに、頑張って!って言ってあげて。」
と言った。夫はお腹に手を当て、ぼそっとこう言った。
「頑張れ。ママも頑張ってるから。」
その一言で、今までの不安が吹き飛んだ。
そして無事に出産した。
3290g、52cmのとても元気な男の子。
夫はすぐに病院に来てくれた。愛しそうに息子をじっと見つめる。小さな手に指を握らせ、その力強さに驚いていた。
そして退院して、息子と3人の生活が始まった。初めての沐浴は夫だ。おそるおそる湯に入れ、ガーゼでそっと顔を拭く。ぎゅっと力が入っていた息子の体は、徐々にふわぁ～っと力が抜けていく。がっしりした大きな手が息子を支え、首の細かいしわまで丁寧に洗う。
その時の夫は、父親の顔だった。あんな優しい眼は、息子だけに向けられる眼だ。
母親は自分の体の中で10ヶ月の間、命と母性を育てる。父親は、母親になる妻の大きなお腹を見て父親を自覚し、我が子が生まれ触れ合いながら、父性が育つのだと思う。
初めて息子を沐浴させてから、もう5ヶ月がたった。いや、まだ5ヶ月しかたっていない。
息子はこの5ヶ月でいろいろな体験をし、成長もした。夫はその成長を、毎日の日課である息子との入浴で感じている。
体重が増えた、あせもができてる、首がすわった、体がしっかりしてきた・・・ ただ見ているだけではわからない成長を、夫は毎日大きな手で感じ取っている。
夫はお風呂以外の育児はまったくできない。でも、それでもいい。夫が進んでやってくれて、息子の成長を感じて喜んでいる。その事がとても重要だと思う。
ありがとうね。