ありがとう胎盤さん|赤ちゃんの沐浴はスキナベーブ

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持田ヘルスケア株式会社

エッセイコンテスト

スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト

【第12回】~ 赤ちゃんへの手紙 ~

入選

・ありがとう胎盤さん

神奈川県  主婦  女性  37歳

主人と野球の応援に来ていた。みんなが声をあげて空を見ている。雲と虹が重なったとても幻想的な景色だった。帰宅して調べてみると「彩雲(さいうん)」といい、これを見ると良い事が起きるという。
結婚して6年目。なんと待望の子どもを授かった。
主人とは付き合ってからも長いため、すべて知り尽くしたと思っていた。妊娠がわかってからというもの、主人は人目を気にせずお腹の子に話しかける。
「パパでちゅよ。聞こえてまちゅか?」。
硬派な主人の意外な一面を見た。そんな優しい主人に感謝、そして新たな幸せを感じた。一方私は意外と照れくさく、なかなかお腹の我が子に話しかける事ができなかった。
妊娠中期、産院で出産プランを考えることになった。出産プランとは、出産した時にやりたいことを決めることだった。
1.産まれたての我が子を自分のお腹に乗せるというカンガルーケアプラン。
2.写真撮影。
3.胎盤を見せてもらう。
以上、病院のオススメのものをお願いすることにした。
妊娠後期、主人からメールが来た。立ち会い出産に必要なプレパパ講習会に一番乗りで到着し、最前列席で講習を受けて来たと。一方私は、逆子が直らないでいた。このままでは帝王切開になり、主人は立ち会いができない。帝王切開は安全なお産と医師は言い、私も元気に産まれてくれるならどんな方法でもいいのではないかと考えるものの、なかなか完全に気持ちが切り替えられないでいた。その後も毎回検診では、逆子のまま。担当医から、
「もしかしたら、へその緒が体に巻き付いているのかもしれない。だから戻りたくてもまた逆子になってしまうのだろう。」
と言われた。
それ以来、お腹の我が子と私は喧嘩することもあった。
「私はすり抜けるのが好きだから・・私に似てるからきっと体に巻き付いていてもすり抜けられると思うよ!なぜ戻れない?頑張んなさい!!」
そんな身勝手な気持ちのまま、帝王切開の日が告げられた。毎日お腹に話しかけてくれる主人、立ち会い出産を誰よりも楽しみにしている主人・・・。病院から帰る道中、涙が出て来た。パパごめんね。
帝王切開に向け、いろいろな検査を行った。私も「無事に産まれてくれれば帝王切開もいいんじゃないか」と気持ちは完全に切り替わっていた。
最後の検診日、なんと逆子が直っていた!私は奇跡だと思った!我が子ちゃんでかした!!
平成23年3月29日主人も立ち会いのもと、元気に産まれた女の子。
産まれてすぐカンガルーケアでお腹に乗せられた我が子。なんて温かい。胎盤を見せてもらった。とても大きくて、不思議な宇宙船のように思えた。我が子を一所懸命育んでくれた胎盤。私は心の中でお礼を言った。「胎盤さん、本当にありがとう」。
そして先生と助産師さんが驚いた声で言った。
「へその緒が人一倍短い上に、胎盤が子宮の上側に付いていたよ。この長さで良く逆子が直ったもんだ。この子、本当に偉いよ。」
我が子の頑張りに感動した。
「ありがとう」
初めてのお産で不安もあったが、すごく安産だったので、自分の両親にも感謝した。
「健康にそして丈夫に産んでくれてありがとう」
今、元気に育ってくれている我が子に、時々テレパシーを送る。
「健康に育ててくれた胎盤さん、本当にありがとう。2人でいつまでも感謝しようね」。

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